本来「印章」とはハンコそのものを指し、「印鑑」は捺印された“印影”のことを指します。
ただ、現在は印章・印鑑・印判・ハンコ共に同一の意味で使われていますから、一般的には同じものとして解釈していいでしょう。
公益社団法人全日本印章業協会では“印章”を正式名称としています。
印章には登録印としての「実印・法人印」の他に銀行印・認印があります。
銀行印は取引金融機関に届け出たもの、認印は登録しない印章を指します。
ただし、契約などの書類上の捺印効果は法的には同等の価値を持っています。「認印だから責任がない」ということではありません。
つまり法律上、実印も認印も意志確認において同格なのです。認印だからといってみだりに捺印すべきではありません。
捺印の際に欠かせないのが朱肉(中国では印泥・朱泥)です。
本来は硫化水銀を過熱、昇華して得られる銀朱をひまし油などの植物油で溶かしたものです。光線によって変化変色しない特質があり、アルコール・酸・アルカリにも反応しない最適の朱肉です。しかし純粋な銀朱は非常に高価で、現在は顔料系の朱色をスポンジにしみ込ませたものが多く使われています。大切な実印の捺印には、出来れば水銀系の朱肉をおすすめします。
公益社団法人全日本印章業協会では労働省の職業能力開発協会と連携し一級技能士の養成につとめています。
一級及び二級の印章技能士は現在、協会会員店に1200名在籍し、労働省認定の優れた技術と手彫りの成果を印鑑製作に活かしています。
最近はパソコンを応用した自動彫刻機によって安価な印章が増えています。この「機械彫り」は類 似した印章が出来やすいという点で、大切な実印や銀行印にはおすすめできません。
財産や権利にかかわる大切な実印・銀行印は必ず「手彫り・手仕上げ」の印章をお持ちください。印章はあなたの社会生活の中で何回もつくり換えるものではありません。唯一無二の「手彫り・手仕上げ」の印章こそ賢明な選択と言えるでしょう。「手彫り・手仕上げ」 印章は、公益社団法人全日本印章業協会 会員の印章専門店にご相談ください。